2022/05/27 18:18

皆さまこんにちは。結美株式会社 ヘルスケア・美容医療事業部です。

今回のコラムでは、ビタミンC美容液の塗布方法について、お話したいと思います。

 

太陽紫外線(UV)は光老化(日光を長年浴び続けることによってひき起こされる肌のしみ、しわ、たるみなどの皮膚の変化のこと)を引き起こす要因です。

紫外線は、3つの波長帯に分けられます。UVA(320-400nm)、UVB(280-320nm)、UVC(100-280nm)の3つの波長帯に分けられます。UVCは大気中のオゾン層で吸収され、地表には届きません。

UVAは約90〜95%、UVBは約5〜10%が地上に到達します。

UVBは表皮で吸収されDNA損傷を誘発するとともに、皮膚内の水分と反応して、ヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種(ROS)を生成します。UVBによって誘発された活性酸素は、脂質、タンパク質、DNAと反応します。[1]

UVBによる酸化的損傷は、アポトーシス(細胞死)や遺伝子の突然変異を引き起こし、皮膚にダメージを与えます。活性酸素による皮膚のダメージが蓄積すると、発がんや皮膚の老化につながります。

 

ビタミンCは、そういった紫外線(UVB)からの皮膚ダメージを抑える効果があります。[2]

皮膚におけるビタミンC(L-アスコルビン酸)の働きは、紫外線による酸化抑制、黒色メラニンの還元、コラーゲン線維の構築などがあります。

また、皮膚でビタミンCが欠乏すると表皮が薄くなり、紫外線によるメラニン色素の産生が増加し、いわゆる日焼けしやすい状態になるということがわかっています。[2]

ビタミンC(L-アスコルビン酸)は、ヒドロキシルラジカルなどの活性酸素の生成を抑制し、アポトーシス(細胞死)や癌化を防ぐ効果があります。

 

ビタミン C が紫外線(UVB)による細胞障害に対して抑制効果があるかを調べた実験[1]では、ヒト培養表皮の表面にビタミン C(L-アスコルビン酸)を塗布し、3 時間後、6時間後に表皮を採取。また、紫外線を照射する前と後の 3 時間、ビタミンCを表皮表面に塗布。という実験をおこないました。

その結果、紫外線照射の前または後にビタミン Cを表皮表面に添加すると、表皮にビタミン C が取り込まれ、紫外線照射による細胞障害(細胞生存率の低下、アポトーシス頻度、DNA 損傷の増加および活性酸素種の産生)を抑制するということがわかりました。

また、その効果は紫外線照射の前にビタミン C を添加した方が後に添加するよりもより効果的であるということもわかりました。

このように、皮膚へのビタミンCの塗布は紫外線による光老化防止に効果的であるといえます。また、塗布する際は紫外線を浴びる前、つまり、朝のスキンケア直後にビタミンC配合の化粧品でお手入れをすることがより効果的といえます。

しかし、注意点があります。ビタミンC系の化粧品は酸化しやすい[4]ため、古い化粧品や開封してからしばらく経った化粧品を使用して紫外線を浴びると、逆に悪影響をおよぼす可能性があります。[5]

 

ビタミンC配合を謳う商品は様々ですが、よく利用される「ビタミンC誘導体」とは、ビタミンCの安定性を高めるため、他の分子を結合させたものです。化粧品の容器の中では安定していますが、肌に触れると肌がもつ酵素によって化学結合が離れ、ビタミンCとなって働き始めます。そのため、ビタミンCの働きを発揮するまでに時間がかかってしまいます。

化粧品としておすすめなのは、ピュアビタミンC処方の商品で、こちらはビタミンC誘導体に比べ浸透性が高く、肌の奥(角質層)までダイレクトにビタミンCを届けます。一方で水溶性のピュアビタミンCは不安定なため、すぐに酸化してしまうデメリットがあります。

肌表面の角層にはバリア機能があり、異物の侵入を防いでいます。化粧品が肌に浸透するためには、角層になじまなければなりません。角層の細胞の隙間を埋めている細胞間脂質は、水分と脂質が網の目になった構造をしています。また、細胞ひとつひとつの細胞膜は脂質、細胞の中は水性です。

そのため、肌全体にビタミンCを届けるには、水溶性と油溶性の両方を取り入れることが大切です。

物質には、水となじみやすい性質を持った「水溶性」、油となじみやすい「油溶性」、その両方の性質を持った「両親媒性」の3種類がありますが、ビタミンC美容液をお選びになる際は「両親媒性」であるものを選ぶと、効果が出やすいです。

 

弊社取扱いの【アプローチVCセラム】シリーズは、ビタミンC(L-アスコルビン酸)の濃度が高く(30%、33%という高配合)、両親媒性となっており、独自のA-PVC設計(両親媒性ピュアビタミンC設計)を用いて処方されています。

これまで難しいとされていた高濃度で浸透力の高いビタミンC美容液であり、水を一切使うことなく設計することで安定化も実現しております。

また、ビタミンC(L-アスコルビン酸)を塗布する際、濃度が高いと濃度勾配により肌の奥(角質層まで)に浸透されやすくなるということが、1996年の研究で分かっています。[3]

せっかくビタミンC配合の化粧品を使うのであれば、30%、33%という高濃度のビタミンCを取り入れた方が、より浸透されやすく、効果を感じるスピードも期待ができます。

使用感はさらさらのオイルのようなテクスチャで、ほのかに爽やかな柑橘系の香り(3種類のアロマオイル)がしてじんわりリラックスできます。また、余計なものはいれないシンプル処方で、着色料、合成香料、鉱物油、エタノール、防腐剤フリー。

弊社が自信をもっておススメする商品です。肌悩みを複数抱えた方、美容液は一本に絞りたい方、美容液ジプシーをしている方、普段のお手入れをワンランクレベルアップさせたい方は、是非一度、お試しくださいませ。

 

アプローチ VCセラム30/12ml 16,500円

アプローチ VCセラム30ミニ/2ml 3,300円 ※お試しに便利なミニサイズ

アプローチ VCセラム33/12ml 19,800円 ※シリーズ最高濃度

 

 

【参考文献】

[1] Saki Kawashima, Tomoko Funakoshi, Yasunori Sato, Norikatsu Saito, Hajime Ohsawa, Katsumi Kurita, Kisaburo Nagata, Masayuki Yoshida & Akihito Ishigami. Protective effect of pre- and post-vitamin C treatments on UVB-irradiation-induced skin damage. November 2018 Scientific Reports 8(1)

[2] Yasunori Sato, Koji Y Arai, Toshio Nishiyama, Yoshihiro Nomura, Yuki Kishimoto, Shingo Aizawa, Naoki Maruyama, Akihito Ishigami. Ascorbic acid deficiency leads to epidermal atrophy and UVB-induced skin pigmentation in SMP30/GNL knockout hairless mice. J Invest Dermatol. The Journal of Investigative Dermatology 2012 Aug;132(8):2112-5.

[3] K Kameyama, C Sakai, S Kondoh, K Yonemoto, S Nishiyama, M Tagawa, T Murata, T Ohnuma, J Quigley, A Dorsky, D Bucks, K Blanock. Inhibitory effect of magnesium L-ascorbyl-2-phosphate (VC-PMG) on melanogenesis in vitro and in vivo. J Am Acad Dermatol 1996 Jan;34(1):29-33.

[4] Li Y. New developments and novel therapeutic perspectives for vitamin C. J Nutr. 2007 Oct;137(10):2171-84.

[5] Alexander Meves, Sibylle N Stock, Astrid Beyerle, Mark R Pittelkow, Dominik Peus. Vitamin C derivative ascorbyl palmitate promotes ultraviolet-B-induced lipid peroxidation and cytotoxicity in keratinocytes. J Invest Dermatol. 2002 Nov;119(5):1103-8.