2022/10/07 09:34
こんにちは!結美ヘルスケアです。
日頃からよく運動をする方でサウナを利用し始めてから体力が上がったかも?疲れにくくなった?
と実感している方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそのサウナと運動の関係性について、論文からのデータをもとにお伝えしていきます。
『サウナ利用により体力の改善を調整する可能性がある』
体力は人間の健康にとって重要な要素であり、心肺機能、筋骨格系強度、持久力、柔軟性、身体組織など複数のパフォーマンが体力を決定させます。これらは一般的には加齢とともに低下します。
例えば、最大酸素消費量(人が一定時間に体内へ取り込んで使うことができる酸素量の最大値)は活動レベルに関係なく10年ごとに約10%減少します。
高齢者の体力を維持することは、認知機能の向上、虚弱の軽減、及び全体的な生活の質の向上に貢献しています。
サウナ使用による熱ストレスは、これらの機能を改善させたり、心肺機能、持久力、筋肉量の維持を増加させることにより、体力の改善を調整する可能性があります。
『持久力の向上が期待されるサウナ』
6人の長距離ランナーを対象に、サウナの反復利用が持久力とその他の生理学的効果に及ぼす影響についての実験で、1回30分のサウナセッションを週2回、運動後3週間続けたところ、研究参加者が疲労困憊するまで走った時間はベースラインと比較して、32%も増加しました。
運動中、赤血球は肺から体内組織へ酸素を運搬し、吸気のために二酸化炭素を肺に送り込みます。これらのプロセスがサウナ利用により促進され、持久力が向上する可能性があることがわかりました。
『温熱環境下でのトレーニングが筋力アップを促進!?』
これは少し面白い論文です。
実験の参加者はドライサウナの100°の室温の中で3週間、ハンドグリップトレーニングを週に2回、1セッションあたり10回×10セット、左手は未トレーニングで右手のみこれを行いました。
その結果、期間終了後に温熱環境下でのトレーニングを行なったグループは右手だけでなく左手の筋力量も同様に最大等尺性筋力の増加が見られました。
温熱環境下でのトレーニングを実現するのは、少し困難な気もしますが、、、
このような実験でも熱ストレスが筋力を成長させるために効果があることがわかります。
また、小規模な実験ではありますが、4週間に渡り12回のサウナセッションを行った参加者は、参加前に比べて筋肉と骨密度のパラメータに若干の増加が見られたというような研究もあります。
以上のことからサウナは病状や身体的制限によって運動が困難であったり、運動がそもそも好きではない方などに向けての運動の代替になる可能性があります。
また、日頃から運動されている方もサウナ入浴により運動後の筋疲労の回復を早める効果も期待されています。
運動とサウナを日頃の生活に取り入れ、より健康的な生活へと導いていきましょう。
参考文献
1 Sauna use as a lifestyle practice to extend healthspan.
Patrick RP, Johnson TL.Exp Gerontol. 2021 Oct 15;154:111509. doi: 10.1016/j.exger.2021.111509. Epub 2021 Aug 5.
Bartolomé I, Siquier-Coll J, Pérez-Quintero M, Robles-Gil MC, Muñoz D, Maynar-Mariño M.Int J Environ Res Public Health. 2021 May 14;18(10):5240. doi: 10.3390/ijerph18105240.
3 Effects of Twelve Sessions of High-Temperature Sauna Baths on Body Composition in Healthy Young Men.
Toro V, Siquier-Coll J, Bartolomé I, Pérez-Quintero M, Raimundo A, Muñoz D, Maynar-Mariño M.Int J Environ Res Public Health. 2021 Apr 22;18(9):4458. doi: 10.3390/ijerph18094458.